文鉄・お札とコインの資料館

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紙幣についている丸い模様



最近紙幣を眺めているとなにやら黄色やオレンジなどの丸印が密集して大量に印刷されていることに気がつくだろうか。

写真は日本銀行D2000円券


日本では2000年に発行されたD2000円券より採用され、2014年現在発行されている1000円券、2000円券、5000円券10000円券すべての券種に使用されている。

この丸はユーリオンまたは、開発した企業名からオムロンリングと呼ばれる偽造防止技術で、特定のパターンを紙幣に印刷しておくことにより、そのパターンを画像編集ソフトやプリンタなどが読み取り、自国および外国を含めた紙幣として認識させることで編集や印刷をできないようにするというもので、紙幣のパターンそのものを覚えされる(たとえば1000円券は全体的に緑で肖像が野口英世、2000円券は全体的にオレンジで図柄が守礼門など)ものではなく、紙幣が変更された時もそのままパターンを印刷するだけで偽造を阻止することができる。

画像は2000円券から抜き出したユーリオンのパターン。ユーリオンは特定の計算式に基づいて配置されるとされており、その特許内容は中央銀行やソフトメーカー、印刷機会社などに限って公開され、一般人は知る由も無い。


この技術はその名前の通り日本で鉄道の自動改札機や医療機器などで有名なオムロンによって1994年に開発され、欧州の諸国のほうが採用こそ早かったものの、日本でも先進国の中では比較的早く2000年の2000円券より使用されている。現在では韓国中国といった近隣諸国をはじめ、アメリカユーロなど多くの国や地域の紙幣に使用され、偽造防止に貢献している。 日本の技術が世界標準となった。

なお、Adobe Photoshopなど対応しているソフトでこのようなユーリオンが適切に配置された紙幣画像を開くと以下のようなメッセージが出てきて開くことができない(これについてはユーリオンを認識しているわけではないとする考察もあります)。


また、2000円券ではユーリオンは比較的隠して使用されているが、各E号券ではダミーの丸印と合わせて意匠の一つとして組み込まれている。これの背景にはユーリオンを認識させやすくするという他にも、そのユーリオンの実用性に目をつけた結果だと考察される。

写真はD2000円券の裏面のユーリオン。地紋などに隠れて配置されている。



写真はE10000円券の裏面のユーリオン。ユーリオンの周りのみ地紋がなく、またダミーとしての丸印と共にあたかも宝石の輝きのように配置されている。


この他の偽造防止技術に関してはこちらをご覧ください。




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