紙幣についている丸い模様
2025/06/16改訂
最近紙幣を眺めているとなにやら黄色やオレンジなどの丸印が密集して大量に印刷されていることに気がつくだろうか。

写真は2000年に発行された2000円券
日本では2000年に発行された2000円券より採用され、2025年現在発行されている1000円券、2000円券、5000円券、10000円券すべての券種に使用されている。
この丸はユーリオンまたは、開発した企業名からオムロンリングと呼ばれる偽造防止技術で、特定のパターンを紙幣に印刷しておくことにより、そのパターンを画像編集ソフトやプリンタなどが読み取り、自国および外国を含めた紙幣として認識させることで編集や印刷をできないようにするというもので、紙幣のパターンそのものを覚えされる(たとえば1000円券は全体的に緑で肖像が北里柴三郎、2000円券は全体的にオレンジで図柄が守礼門など)ものではなく、紙幣が変更された時もそのままパターンを印刷するだけでコピーをはじめとした偽造を阻止することができる。

画像は2000円券から抜き出したユーリオンのパターン。ユーリオンは特定の計算式に基づいて配置されるとされており、その技術詳細は中央銀行やソフトメーカー、印刷機会社などに限って公開され、一般人は知る由も無い(日本国特許第2893080号)。
この技術はその名前の通り日本で鉄道の自動改札機や医療機器などで有名なオムロンによって1994年に開発され、欧州の諸国のほうが採用こそ早かったものの、日本でも先進国の中では比較的早く2000年の2000円券より使用されている。現在では韓国や中国といった近隣諸国をはじめ、アメリカやユーロなど多くの国や地域の紙幣に使用され、偽造防止に貢献している。 日本の技術が世界標準となった。

写真はオムロン製自動券売機(近鉄日本橋駅にて撮影)。
また、2000円券ではユーリオンは比較的隠して使用されているが、2004年以降に発行された日本銀行券では一部の券種ではダミーの丸印と合わせ、意匠の一つとして組み込まれている。これの背景にはユーリオンを認識させやすくするという他にも、そのユーリオンの実用性に目をつけた結果だと考察される。

写真は2000円券の裏面のユーリオン。地紋などに隠れて配置されている。

写真は2024年に発行された1000円券の裏面のユーリオン。ユーリオンの周りのみ地紋がなく、またダミーとしての丸印と共に波しぶきのように配置されている。
なお、Adobe Photoshopなど対応しているソフトで紙幣画像を開くと以下のようなメッセージが出てきて開くことができないが、これについてはユーリオンではなく、電子透かし技術を用いて紙幣であることを認識しているものと思われる(当初このページにおいてこの機能はユーリオンによるものである と記載しておりましたが、日本を含む中央銀行の偽造防止対策グループが開発した技術を用いて検知しているとの文献がありました。ご指摘をいただいたみなさま、ありがとうございました)。

この他の偽造防止技術に関してはこちらをご覧ください。