100円券
終戦による戦時補償や退役軍人への退職金支払い、戦時中の預貯金強要による払い戻しなどで、終戦後銀行券発行高は戦時前に比べ3倍以上となり、歯止めのきかぬインフレが発生しました。そこでインフレ抑制のため日本銀行は1円以下を除きすべての額面の紙幣を無効にし、新しく紙幣を発行することになりました、これを「新円切り替え」といいます。A券の他の金種はデザインが新しく作られたのに対し、この100円券は、新しいデザイン製作に要する時間がなかったため、急遽い100円のデザインを使用することになりました、そのため「新円標識」というのが印刷され、その標識のないものは現在無効です。またGHQがインフレが起きる可能性があり好ましくないといい、発行を取りやめた幻の500円、1000円の金種もあります。戦後直後の混乱期に発行されたため、最高額面の100円を除き作りは粗末ですかしがありません。また、このA号券シリーズは大日本印刷や凸版印刷などの民間でも印刷されたため、印刷された会社及び局ごとにより大きな違いがあります、それが偽造が横行する原因になりました。
基本データ
発行
1946/03/01
大きさ
162 mm x 93 mm
有無効
有効
ルーラーの表示
おもて(東京証券印刷 王子工場印刷)
うら
おもての肖像
聖徳太子
聖徳太子
「和をもって貴となす」のスローガンの下、「十七条憲法」などを制定した平和主義者
おもての図柄
法隆寺夢殿
うらの図柄
法隆寺
新円標識
赤い新円標識がないものは同じデザインであっても現在無効