文鉄・お札とコインの資料館

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A10円券


終戦による戦時補償や退役軍人への退職金支払い、戦時中の預貯金強要による払い戻しなどで、終戦後銀行券発行高は戦時前に比べ3倍以上となり、歯止めのきかぬインフレが発生しました。そこでインフレ抑制のため日本銀行は1円以下を除きすべての額面の紙幣を無効にし、新しく紙幣を発行することになりました、これを「新円切り替え」といいます。この時に新円とよばれる新しい日本銀行券を製造することになりますが、占領下の日本にとって非常に困難なものとなりました。新円切り替えが突発的に発表され、十分な製図をする余裕がないため、大蔵省印刷局(現在の国立印刷局)以外の民間印刷会社に広くデザインを募集し、これには凸版印刷案が採用されることになりました。しかしいざ印刷となった段階で当初予定していた肖像がGHQより旧軍国主義および日本神話的な者の肖像、仏像は不適当などの指示があり、本来は1000円券(不発行)として用意されていたデザインが流用されることになりましたが、このA10円券のデザインが「米国」という字に見えるということや、皇室の菊花紋章が鎖で繋がれている、裏面のチューリップの数が当時の米国の州の数と一致するなどの根拠なき流言がなされ、国会にて取り上げられる事態にもなりました。このA号券シリーズは大日本印刷や凸版印刷などの民間でも印刷されたため、印刷された会社及び局ごとにより大きな違いがあります、それが偽造が横行する原因になりました。

基本データ

発行
1946/02/25
大きさ
140 mm x 76 mm
有無効
有効
おもて(大蔵省印刷局 酒匂工場印刷)


おもて(凸版印刷 板橋工場印刷)


うら(大蔵省印刷局 酒匂工場印刷)


うら(凸版印刷 板橋工場印刷)

図柄
国会議事堂


おもての図柄
鳳凰


鎖で結ばれたといわれた菊花紋章



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